剥離剤とは?成分・種類・使い方!危険?保管方法
電着治具を初めとする各種塗装治具や塗装不良品の塗装・塗膜剥離には、塗料の種類や塗装方法の違いに加えて、多様化する塗装対象物の材質によって、 最適な剥離剤を選定することが必要です。
40年以上の経験と技術を結集した「サンエコン」剥離剤シリーズは、用途・目的に適した塗装 剥離剤を取り揃えております。
剥離剤とは
剥離剤とは、金属やガラス、プラスチックなどの表面に付着した塗装や塗膜、接着剤などを剥
がす薬剤のことです。
剥離剤は主に塗装不良品に再塗装を施す際の前処理や塗装用治具の洗浄に用いられます。
剥離剤を用いるメリットは下記の通りです。
①労力の削減
人の手で塗装や塗膜を剥がそうとすると、大変な労力がかかります。
剥離剤を用いることでそ
の労力を削減することが可能です。
②素材への負担軽減
物理的に塗装や塗膜を剥がす場合、スクレーパーなどで素材を傷つけてしまう恐れがありま
す。
剥離剤は素材を傷めずにピンポイントで塗装・塗膜に作用しますので、素材を傷つける心
配はありません。
剥離剤の成分
剥離剤には、水系、アルコール系や塩素系といった様々な溶剤の剥離剤があります。
また無機酸、有機酸、各種アルカリ成分等を含んだ様々な液性のものもあります。
剥離の対象となる塗膜や塗装、母材の材質はもちろん作業環境や仕様器具により、用いること ができるあるいは効果的な剥離剤は異なります。
※当社サンエコンではお客様の用途に応じた剥離剤をご用意しています。
剥離剤の種類
サンエコンシリーズでは、用途に応じて水系、水/溶剤系、溶剤(ノンクロル)系、塩化メチレ ン(クロル)系の4種類の剥離剤をご用意しております。
長所 |
安全性が高く、消防法の規制から外れる(一部危険物あり) 比較的安価で任意に水希釈が可能、洗浄機での使用もできる(対応品のみ) 環境安全性に優れる |
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短所 |
錆が発生しやすい(水によるリンス後) 乾燥性が悪い(塩化メチレン系と比較して) 酸やアルカリによる被洗浄物へのダメージ懸念(ただし、液の選定によっ て対応可能) 発泡しやすい(低泡タイプあり) |
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注意事項 |
鉄材等に使用の場合、リンス後の防錆処理が必要 (防錆効果を持つ製品 もあり) 原液およびリンス水がpH:2.0以下またはpH:12.5以上の場合は特別管理 産業廃棄物に該当 |
長所 |
剥離洗浄性に優れ、水によるリンスが可能 消防法の規制から外れる(引火点なし) 環境安全性に優れる |
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短所 |
乾燥性が悪い(塩化メチレン系と比較して) 酸やアルカリによる被洗浄物へのダメージ懸念 (但し、液の選定によっ て対応可能) 原液加温使用が前提、使用劣化により液分離が発生 (水分および原液の 補給管理が必要) |
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注意事項 |
鉄材等に使用の場合、リンス後の防錆処理が必要 原液およびリンス水がpH:2.0以下またはpH:12.5以上の場合は特別管理 産業廃棄物に該当 水質汚濁防止法に該当 |
長所 |
油脂溶解力に優れる 非鉄系軽金属にも使用できる 環境安全性に優れる(塩化メチレンと比較して) |
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短所 |
臭気、刺激性がある 粘度が高めのため、細部の洗浄性が悪い 乾燥性が悪い(塩化メチレン系と比較して) |
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注意事項 |
水質汚濁防止法に該当 消防法に該当(引火点あり) |
長所 |
油脂溶解力に優れ、浸透性・乾燥性が良い 非鉄系軽金属にも使用できる 不燃性であり、消防法の規制から外れる |
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短所 |
低沸点(40℃)で気化しやすい 臭気、刺激性がある |
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注意事項 |
労働安全衛生法(特化則)、労働基準法、PRTR法に該当 水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、特別管理産業廃棄物に該当 |
剥離剤が使われる事例ケース
主な実績、事例を紹介します。
水系、水/溶剤系
水系及び水/溶剤系の剥離剤は溶剤系や塩化メチレン系のものと比べ、安全面、作業環境面で優
れています。
塩化メチレンをはじめ、労働安全衛生法や消防法の対象物質となる物質(溶剤)を主成分とする剥離剤の代替品としてご使用していただいています。
溶剤(ノンクロル)系
硬化してしまった接着剤等、水系の剥離剤では除去できないものを剥離することが可能です。
溶解性能に優れ、樹脂系統の剥離、溶解剥離に効果を発揮します。
塩化メチレン(クロル)系
乾燥性に非常に優れ、常温でも使用できます。
発錆の不安がある鉄系部材の剥離や水洗工程を
取り入れられない剥離等で実績があります。
また浸透性が高く、汎用的な剥離性能が期待でき
ます。
アルカリ性剥離剤【サンエコン R-4055D】
サンエコンR-4055Dは、ジクロロメタン等の塩素系溶剤を含まない非塩素系のアルカリ性塗膜剥離剤です。
アルカリ成分と溶剤などの相乗効果により強力な剥離力で焼付塗膜や接着剤および特殊インク等を容易に剥離致します。
https://www.taiyochem.co.jp/releaseagent/
ウレタン樹脂塗料の剥離 実験映像
剥離剤の使い方
剥離剤を使用する流れを図にすると以下になります。
※浸漬時間は、塗膜や塗装の種類によって異なります(3分~1時間以上)。
※加温浸漬する際の、液温については製品紹介ページをご参照ください。
剥離剤の取り扱い方法、注意点
サンエコン剥離剤は、化学薬品です。製品によっては、毒劇物や労働安全衛生法の該当物質となります。
素手でのご使用は大変危険ですのでお控えください。
ご使用の際は保護手袋や保護メガネ等の保護具の着用をお願いいたします。
※またご使用いただく際は必ずSDSをご参照ください。
剥離剤の保管方法
直射日光を避け、換気のよい室内に、カギをかけて保管して下さい。
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